生体内と同じ濃度での抗がん剤(候補)の評価は、少なくとも一週間、一般的には二ヶ月ぐらいかかります。これをナノテクの応用で一時間でできるシステムを作り、論文として発表しました!
Hot Article(注目論文)に選んでもらいました。以下を参照ください。
http://www.jsac.or.jp/analsci/toc.php/34/10/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/analsci/34/10/34_18P013/_pdf/-char/en
このシステムが、将来、抗がん(固形、浮遊)、抗アルツハイマー、糖尿病予防、脂肪燃焼促進、代謝活性化、育毛、肌のターンオーバー促進、美白促進、アンチエイジング、冷え症改善、難病治療薬(幹細胞病態モデル)の各種スクリーニング、医療における薬剤の選択(特に急性白血病に有効)、効率的・安全な再生医療の実施(純度、安全性、治療効果の高いものの選抜)、幹細胞からの臓器開発方法の効率化(目標の分化細胞の選抜をプレート上で実施)、難病の解決につながれば幸いです。
要約
抗がん剤(候補)をスクリーニングする場合,生体内と同様の生理的濃度で評価することが必要である.これには,細胞の三次元培養が良く用いられる方法である.しかし,2-4週間の長い判定期間と煩雑な実験操作が要求される.本研究では,センサーチップ上に自己接着させた膵がん二次元培養細胞をコラーゲンで短時間重層することにより,分裂させることなく,生体内と同様の細胞活性の獲得を達成した.これを高精度化した表面プラズモン共鳴法装置により測定し,1時間以内で,臨床応用されている薬剤感受性試験を代替可能な新規システムを確立した.薬剤の作用機序,並びに個人差に影響されない特徴を有する.